2014-05-01
牡丹園
小さい頃のある日、いつものように母の花壇に遊びに行くと、
奥の方からただならぬオーラを感じた。
目をやると一輪の大きな花が咲いていた。
幼い私の顔よりも大きなその花は白くボワッと浮かび上がっていて、
まるで発光しているかのようだった。
その花壇には薔薇などの色々な花や木々が植わっていて綺麗だとは思っていたが、
それらの普段見ている花とは何だか気品というか気高さがまるで違って見えた。
この幻想的な花を初めて見た私は、興奮して母に知らせに行った。
「ママ!なんかすっごい大きな白いお花が咲いてる!!」
「ああ、牡丹が咲いたのね。」
いたって冷静に答える母だったが、
私には今でもその光景が目に浮かぶぐらい強烈な思い出となった。
時は流れ、今年も牡丹の季節になった。
房総へ引っ越してから近くに「牡丹園」なるものがある事を知り、毎年見に行っている。
ただこの時期は毎年忙しく、気が付くと牡丹はほとんど終わっていて、
その後に咲く芍薬の満開の時期ばかりに行っていた。
芍薬も大好きなので、それでも十分満足なのだけど、今年は何が何でも牡丹が満開の時期に行きたかった。
そして、先週、念願かなって牡丹の満開の時期に行ってきました。
見事でした。
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