2015-05-14
by Yla

Nigel Stanford 科学と音楽

最近、ちょっと気になったエレクトリック系ミュージシャンのナイジェル・スタンフォード。
去年発売されたアルバム「Solar Echoes」からのカット「CYMATICS」のPVが
こりゃスゴイ!と話題になってあちらこちらで紹介されたりシェアされたりしたので、
それを見て彼を知った人も多い筈。
実は僕もそのクチで、遅ればせながら最近知りました。
で、まだ見たことのない人は、まずはゼヒご覧ください。
去年6月にYouTube公開、現在のところ660万回再生の話題作。
CYMATICS: Science Vs. Music

 

音の周波数に反応して形を変える粒子や液体や炎、
これって科学系サイトで公開されてる実験の様子をおさめた動画等で
皆さんもネット上で一度は見たことがあるのではないだろうか。

 

「えー、こんな動きするの?」「わー、きれい!」みたいな感じで、
思わぬ展開に驚かされる科学的現象の数々。
それらを利用して自らの音楽に上手く組み込んだのが、ナイジェル・スタンフォードのこのPVだ。
サブタイトルにScience Vs. Musicとある通り、まさに音楽vs科学実験、
次々と生み出される音をまるで具象化するように、様々な現象が現れては消えていく。
くうー、かっこいいー。

 

日本では科学の実験をエンタメ方向に持って行くと、でんじろう先生になっちゃう訳だけど(笑)
こっちは大違い、クールにスタイリッシュに決めて、
そして最後はついにナイジェル対ステラコイルの一騎打ちで、PVは幕を閉じる。
(あ、これもでんじろう先生やってたな)

 

下記にはそれぞれの実験の種明かしというか、メイキングの映像も上がってます。

Cymatics: Chladni Plate

Cymatics: Speaker Dish

Cymatics: Hose Pipe

Cymatics: Ferrofluid

Cymatics: Ruben’s Tube

Cymatics: Tesla Coil

ほおー、こうなってたのかあー。

Nigel Stanford Facebook より

 

ニュージーランド出身で現在ニューヨークを拠点に活動するナイジェル・スタンフォード、
またの名をジョン・スタンフォード、もしくはナイジェル・ジョン・スタンフォード(ややこしいな)。
マッシブ・アタックあたりから影響を受けてそのキャリアをスタートさせたらしく
なるほど、アンビエントでスペーシーなエレクトリック音楽を展開している。
しかし、そのサウンドはダウンテンポというより、プログレ、ニューエイジ風味が強い。

 

ここで、アルバム「Solar Echoes」に収められた他の楽曲も聴いた上で、
ちょっとカラクチの意見を言っちゃう…と、
楽曲単体で見るとそれが素晴らしいオリジナリティーに溢れた出来栄えかと言われると、
そうとはちと言いづらく、やはり、
どこかで聞いたよなニューエイジ音楽っぽさはどうしても拭えない。
しかし彼の場合、このビデオのような
映像を含めた展開こそを、その作品として評価すべきかもという気もする。
そうであれば、要注目のアーティストである事には間違いない。

 

また、動画共有サイトで目にする映像のアイデアを自分の作品の中に取り込み、
(これはそうではないかと筆者が想像するのだが)
そして出来上がった作品を、これも動画共有サイトを通じて拡散させていく。
という、いかにも今日的な手法にも興味をそそられる。

 

前作にあたる彼の作品はと言うと、 大自然の美しさを壮大に見せるタイムラプス動画「TimeScapes」、
このサウンドトラックらしい。
感動的な映像のバックにギルモアばりの泣きのギターをフューチャーした
後期Pフロイドみたいなドラマチックな楽曲を展開している。
で、これもやっぱり注目を集める映像ありきの拡散ムービー音楽だ。

 

Crystal Skies – Nigel Stanford – 4k TimeLapse

 

さて、これからどのような活動を見せていくのだろうか?

カツモクして今後の動向に期待しましょう。

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