2011-12-02
by Yla

「かがなべて、よにはここのよ、ひにはとをかを」

 

「かがなべて、よにはここのよ、ひにはとをかを」
こうして日々を数えてみると、夜では九夜、日では十日にもなる、、、みたいな意味か。
語呂がよかったからか、なんとはなくこの句を長いことおぼえていて、
たまに心の中でつぶやいてみたりしていた。
若い頃読んだ詩集で目にしたことがあるような気がしていたので、
てっきり金井美恵子の言葉だと思い込んでいた。(あやふやな記憶)

 

恋する乙女が窓辺に佇み、
「ああ、あの人に会えない日々がこうして過ぎてゆく。
もう、夜には九夜、日には十日も経ってしまった、、、。」
みたいなイメージをなんとはなく、頭の中に描きながら、、、。 (いーかげんなイメージ)

 

でも、全然違ってた。

 

正しくは日本書紀、ヤマトタケルの歌にかえした歌であるという。
日本武尊(やまとたけるのみこと) が問う
「新治(にひばり)筑波(つくば)を過ぎて 幾夜(いくよ)か寝つる」
御火焼翁(みひたきのおきな)、それに返して
「かがなべて 夜には九夜 日には十日を」
ちなみに、これが連歌の起源とな。

 

天皇の命令でエゾ制圧に行って来たタケル皇子、 大暴れして帰る道すがら、
「ああ疲れた、やっと新治と筑波(茨城)過ぎたけど、 もお、どんだけたったんだ?」
たき火係のジジイすかさず 「そりゃ親方、九晩十日でさあ」 みたいな感じか。

 

全然、恋する乙女じゃなかったね。
という事で12月。
ちなみに、上記の歌は、12月ともてきとうに描いた鳥の絵とも、なんの関係もない。

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