2009-11-27
by Yla

房総も半ば -出東京記-

房総生活も本日で2週間、限定一ヶ月滞在のおおよそ半ばを迎えたことになる。

 

17日付けのブログで、「なぜか房総、房総サンセット、、、、」と
ほとんど何の脈絡も説明もなしに、いきなり始まってしまったこの房総生活報告であるが、
そも我々はいかにして房総生活にいたったのか、、、。

いかにして我々の「出東京記」は始まっていったのかをお伝えします。

 

 

思い起こせば、その予兆は今年の春ごろからあった気がする。

まずはなんといっても仕事の変化だ。
これがいろんな意味合いにおいて、大きな曲がり角に来ているらしい、、。

もちろん、世の中自体がむちゃくちゃな不況に陥っているため、
その波は否応なく我々末端業者をも飲み込むことになり、
その結果、これまでの仕事のやり方を変えざるをえなくなってしまったというのが、
正直なところ、その一因である。

 

でもまあ、僕の場合そうでなくても、
仕事においては様々な転換を経てきたのだった。

なんせ、マンガ、イラストレータとして出発して以来、
関わってきた仕事は、音楽や映画などの評論、エッセイ、雑誌の編集、ライター、デザイン全般、
ファッション・エディター、レコードジャケットや写真集のアート・ディレクション、
プロモーション・ビデオなどの映像監督、2Dまたは3DのCG制作、
CD-ROMなどのマルチメディア・コンテンツのアート・ディレクション、オーサリング及び制作、
WEBなどのデジタル・コンテンツのアート・ディレクション及び企画、制作などなど等等等、、、、。

実にお恥ずかしい限りの節操なき職歴ではあるが、でも仕様がない。

そうやって来ちゃったのだ。

 

で、この30年間に及ぶ無節操な職歴を俯瞰して見てみると、、、
どうやら10年に一度くらいの割合で大きく転換しているような気がする。

 

そこで、私は考えた。

ひょっとしたら今回も、次なるステップに向けての大いなる転換期なのではあるまいか、、、
いや、そうに違いない。そうかもしれない、きっとそうだ。
そうだと信じて突っ走るしかない。
だって、今までだって、そうやって来ちゃったんだから、、、。

 

 

という訳で、転換にかけるこの思いが、
最初に述べた「出東京」へとダイレクトにつながる事となる。

 

この際、仕事の転換に伴い、我々の都市型ライフスタイルも、
あるいは別のライフスタイルに変える時期なのではないか、、、、。
もちろん、それ以外にも様々な複数の要因が絡んではいるのだが、
そうやって、我々の「脱東京計画」はまことしやかに、
あるいはナシクズシ的に進んでいったのである。

 

そう言えば10年ほど前にも一度、東京脱出を試みたことがある。

そのときは、逗子、葉山あたりに居を移そうと、そっち方面の物件を探し、
場所も決まり、話もある程度まとまりかけたのだが、、、、、
結局それは実現化する事はなく終わってしまった。

今思えば、機がまだ熟していなかったのかもしれない。

 

で、今回は湘南ではなく、なぜか房総あたりが引っかかった。

ネットで色々と情報を集めているうちに、
「あれれ、、、ひょっとして、ひょっとしたら、、、千葉ってアリなのおー?」って感じで

どんどん頭の中のエクソダス願望は、東を目指して盛り上がっていく。

なんせ、東京から近い割りに海あり里山ありでスローライフ感も満載、
なおかつ、家賃も物件価格もリーズナブルそうだ。

 

その上に、拍車をかけたのが、「アクアライン800円」だった!!

この制度は約2年半の間の実験制度だという事だが、
それにしても、今まで3000円もかかって見向きもされなかったアクアライン通行料が
なんと、いきなりの800円というダンピング価格!

これは利用しない手はないかも!かも!かも!!!

と、東京湾の向こう、房総半島を熱く見つめる我々にとっては、
「アクアライン800円」が、さながら杖を振り上げたモーゼによって
真っ二つに割られた紅海のように思えたのであった(ちょっとおおげさ)。

 

 

しかし、いざ東京脱出となると、そう簡単に踏ん切りもつかず
夏の間に何度か外房や内房を訪れ「あー、こんな感じなのね」と確認したり、
日々ネットで情報探しをしたりするものの、
その「出東京計画」は、なかなか具体的には実現化しそうになかった。

 

だが、そんな時、ネット上にある情報を発見した。

 

なんと!外房のある町(いすみ市)が東京からの移住者を呼び込む為、その実証実験もかねて
「一ヶ月の間、ためしに移住してみませんか?」と呼びかけている。

なんでも町が用意した家を、ほとんど無料で一ヶ月借りられるとのこと、
町では「移住コンシェルジェ」なるものも設置しいろいろと相談にも乗ってくれるらしい、、、。

これは、まるで、我々のためにあるような企画ではないか!と喜ぶ我々、
早速ダメもとで応募してみたのであった。

 

で、それが当たってしまった。

同じようなことを考える人も多いらしく、応募総数は120組にも上ったらしいが、
なんと、その狭き門をくぐりぬけてしまったらしい、、、。

 

という事で、2週間前の記事
「なぜか房総、房総サンセット、、、、」と、なったという次第。

 

 

さてさて長くなってしまったが、これが期間限定房総ステイに至ったあらましである。

リアルな房総生活、田舎暮らしを送ってみると、思ってもみない事も多く、
「ほんとにココでやってけんのおー」「ほんとにこんな生活やってけんのおー」と思う端から、
「ああ、、、いい所だなあ、、、」「こんな生活をしてみたいなあ、、、」と思ってみたり、
日々あっちゃこっちゃする思いに翻弄される日々である。

 

仕事の都合で東京と行ったりきたりでなかなか落ち着かないのだが、
期間限定の房総生活も残すところあと半月、
「半(出東京)体験」を今少し、
注意深く味わってみようと思っている。

 

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