2009-12-23
by Yla

冬至に柚子湯と焼き穴子

田舎の母親から荷物が届く。
開けてみると、好物である焼き穴子が入っている。
軽くあぶって秘伝のたれをかけ、穴子丼にすると旨いんだよな、これが、と早くものどが鳴る。

 

僕の出身は兵庫県の姫路であるが、両親は現在、
その姫路市からもう少し西に行ったところにある、たつの市の海寄りの町に住んでいる。

そこから海沿いの道を車で20分ほど行くと室津漁港。
いかにも瀬戸内の漁港らしい入り組んだ坂道に昔ながらの民家が建ち並ぶ
なかなか風情のある小さな漁港町なのだが、ここの名物が件の焼き穴子だ。

僕の好物であることから、前日さばいたばかりというこのイキのいい(?)焼き穴子を
母はよく送ってくれるのだった。

ありがたいこってす。

 

さて、焼き穴子ばかりに目が奪われていたが、よく見ると包みにはその他に、
新聞紙にくるまれた黄色い球形の果実がごろごろと入っている。

 

なんですか?これは。

蜜柑より小さく色は檸檬、八朔をうんと小振りにしたような、、、、
そうです。正解はゆずでした。

おりしも昨日は冬至。

これでゆず湯をしなさい、という母心らしい、、、、、
再びありがたいこってす。

 

ウィキペディアによると、、、

「日本では、古来より冬至に柚子の湯に入浴する習慣がある。」

「冬至と柚子との関連はかならずしも明らかでないが
柚子湯の習慣は銭湯の登場以後のことであり、
一説に湯治(とうじ)と冬至(とうじ)との語呂合わせで、
身体息災であれば融通(ゆうずう)がきくとのこじつけであるという。」
とのこと。

 

湯治(とうじ)と冬至(とうじ)、、、融通(ゆうずう)と柚子(ゆず)と、、、
あ、シャレなのね、もともとは。

日本の慣わしって、割とこういうこじつけテイストのものってよくあるよね。

とは言うものの、、、
日々寒さ厳しくなってくる折に、入浴剤効果のある柚子を浮かべたお風呂にゆっくり入り
「この冬、風邪などひきませんように」と願う、先人の知恵が活かされた
なかなかほのぼのとした日本ならではのしきたりには違いない。

いいですね、こういうの。

 

さて、という訳で、昨日の夜は
ありがたく柚子のお風呂をいただいた。

ライトグリーンの入浴剤もいれたので、色合いがますますきれい。
ゆっくり温まりながら、風邪のみならず無病息災を祈った。

 

もちろん、穴子も美味しくいただいたのは言うまでもない。

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