葡萄畑の夜
昨夜は新宿ロフトで一ヶ月にわたって行われているイベント「Drive to 2010」に登場する
「葡萄畑」&「BANDA PLANETARIO」のライブを見に行ってきた。
え?なに?ぶどーばたけ、、、?ばんだなんとか?
と言う人のために、バンドリーダーあおちゃんこと青木和義氏によるバンド紹介がこちら。
葡萄畑
日本ロック黎明期70年代に活躍した、伝説のブリティッシュロック系バンド。
渋谷ジャンジャンや深夜TVなどでの変態逆鱗なライブが大評判となった。
74年と76年に、明らかに人格の違う2枚のアルバムを発表。
小坂忠のバッキングなども務めたが、石油ショックの影響なのか?78年突然に謎の解散。
しかし、24年後の2002年、渋谷クラブクアトロで奇跡の復活ライブを敢行。
2004年には、何と26年ぶりに3rd アルバムを発表した。
その後、2年に1回の“絶滅危惧種ペース”でライブを続行中である。
BANDA PLANETARIO
葡萄畑の中心メンバー青木和義が3年前に結成した、
フィドル・マンドリン・アコギ・アコベによる弦楽四重奏楽団。
ヨーロッパ各地から流れ着き、北米アパラチア山脈周辺に広まったルーツ・ミュージックの数々。
それらの音楽への強い憧憬から結成され、バーなどを拠点に演奏活動をスタート。
最初は、アメリカーナやケルトミュージックを中心に演奏していたが、ある日突然、
オリジナル曲を演奏してみたところ、『我々の憧憬は我々自身の中にある』と気づく。
それ以来、オリジナル楽曲のみを演奏している。
多種多様な音楽文化が織り成す“フィルム・ミュージック”のような音像世界が、バンプラの真骨頂である。
僕と葡萄畑の人たち、
とくにあおちゃんとは、それこそ古いふるいフルーい付き合いである。
なんてったって30年来の友人で、最初の頃には一緒にテクノバンド(!)をやったり、
その後ポリドールに入ったあおちゃんの初仕事のレコードジャケットは
僕がイラストを描かせてもらったりと、、、ほんと、公私ともにいろいろご一緒してきた仲だ。
それに、あおちゃんの新バンド、BANDA PLANETARIOのベーシスト戸田吉則氏、
このよっちゃん(元SPY)とも最近こそあまり会っていなかったが、
これも古いふるいフルーい友達、、、
ぼくが「宝島」やってた頃には、よーく一緒に遊んだよなあー、、、、、
おーっと、いかんいかん、こんな思い出話ばかり書いてたらぜんぜんキリがない。
ということで、気を取り直していきましょう。
「葡萄畑」&「BANDA PLANETARIO」のライブレポート!
隣のメインステージから「頭脳警察」(これもスゴイ!結成40年の大迫力)の
過激な重低音が漏れ響いてくるなか、
新宿ロフトのサブステージ、バーステージにおいて「葡萄畑ナイト」は始まった。
まずはあおちゃんの新バンド、BANDA PLANETARIO、略してバンプラが登場。
あおちゃんマンドリン、ヨシンバの吉井くんギター、よっちゃんアコースティックベース、
秋久ともみちゃんヴァイオリン(これまでのヴァイオリンに代わり今回から新加入)の4人編成。
基本的には、カントリー、ブルーグラスなどのアメリカン・ルーツ・ミュージックから
アイリッシュ・フォーク、トラッドなどのケルト・ミュージックのテイストが色濃く漂う
インストゥルメンタル音楽なんだけど、それだけでも大好物なのに、それプラス、
ちょっとフェリーニ映画のニーノロータっぽい所や、
大好きなポルトガルのバンド、マドレデウスっぽいところもあって、かなーり、いい感じ。
目を閉じて聴いていると、架空のセピアカラー・ロードムービーがじんわりと浮かんできます、(泣)。
そして葡萄畑メンバーも加わり、葡萄畑ライブタイムがスタート。
参入メンバーは本日ペーパードラムで参加する葡萄2代目ドラマー、マイケル、
ギターに本間さん、今回はミニアコーディオンを奏するキーボード佐孝さん、の3人。
左にマイケル、よっちゃんの後ろに本間さん、あおちゃんの後ろに佐孝さんが加わり、、、
あおちゃんもそのプロフィールに書いているように、70年代に出した葡萄畑の2枚のアルバムは
明らかに傾向の異なるサウンドのものだった。
ザ・バンドを彷彿とさせるアメリカン・カントリー・テイストのファースト、
ロキシー・ミュージック、10ccを彷彿とさせるブリティッシュ・ポップ・テイストのセカンド。
それゆえに、葡萄畑はとらえどころのないバンドと受け止められていたとも言える。
さて、ライブでは、そのテイストの異なるファーストからも、セカンドからも、
両方からの楽曲がまんべんなく披露された。
それぞれの楽曲は、現在のバンプラに通じるアコースティック・スタイルで演奏され、
意外にとても調和がとれたものになっていた。
話がそのサウンド変遷に触れたときに「あの時代に、僕らとしては自然な流れだった」
と言うあおちゃん、なるほど、、、。
また、「ファーストとセカンドの流れを合わせて、突き詰めてやっていくと今のバンプラになる」
という言葉にもナットク、、、。
ま、そんなこんなで、懐かしい楽曲が新たな形で演奏され、ヒジョーに楽しいひと時であった。
演奏終了後、今回のイベント仕切りのサエキケンゾー氏がMCで乱入。
あおちゃん、葡萄畑の略歴、プロフィールなどを披露した。
「青木さんは実はスゴイ人なんですよ、僕らパール兄弟の産みの親だし、
それ以外にも、松尾清憲、スピッツ、平沢進、などを手がけ世に出した、ほんとにスゴイ人なんです」
と、リスペクトトークで会場を盛り上げてくれたが、
その後に続く、ご本人あおちゃんのグダグダトーク、、、。
会場からは「あーあ、やっぱり」とため息がもれた。
で、そのサエキ氏からのリクエストもあって、再アンコール曲は葡萄畑の名曲
「お嬢さん、おてやわらかに」!くくくーっ(大泣)。
と、いろんな意味で実に感動的な葡萄畑の夜であった。
また、近いうちにゼヒやってね。