「皇室の名宝 -日本美の華」
10月6日より、東京国立博物館において「皇室の名宝 日本美の華」展が開催される。
これは皇室ゆかりの名宝を一堂に集めた特別展との事だが、
なんと言っても目玉は、伊藤若冲の代表作「動植綵絵」全30幅だ!どーーーーん!!
本展覧会の開催を知った僕は、この圧倒的な迫力の作品を何とかこの目で見たいと、
数ヶ月前から指折り数えて待っていたのだが…。
さて先日、この展覧会のサイトを見ていると「ブロガープレビュー募集」とある。
むむ、これは、いろんなブログを書いてる人を集めて展覧会のプレビューをやるということらしい。
僕のこのブログも、最近やっとマメに更新してブログらしくなってきた事だし、
ダメもとで応募してみようと、実に軽いのりでとりあえず応募してみたのだが、
これが見事に当選してしまった!
なんと、20名のアート系ブロガーの一人に選ばれてしまったのだ!!
うれしい!素直にうれしい!!これで「動植綵絵」全30幅!どーーーーん!!がもっと楽しめるぞ。
(きっと一般開催中は混むだろうからね、、、)
そして、開催前日、5日の午前中、
待ちに待った「皇室の名宝 -日本美の華」ブロガー用プレビューに出かけてきた。
以下はそのレポートである。
ついに若冲の「動植綵絵」と対面できる時がやってきた。
はやる気持ちを抑えつつ、プレス関係者とともに開催の挨拶を聞き、
取材の注意点のレクチャー等を受ける。わくわくどきどき。
どうやらプレビューに与えられる時間は1時間ちょっと、と意外に短いようだ、、、。
もちろん若冲以外にも、教科書でおなじみ「永徳の唐獅子」や、丸山応挙、横山大観の屏風絵などなど、
じっくり見たいものも数ある筈なのだが、今日はそうも言ってられない。
ここはひとつ、若冲いっぽんに絞ることにする。ロックオン!
で、さっそく入場。
こういう上品華麗なエントランスが迎えてくれるが、それを横目に第一展示室へ。
入ってすぐに南蛮渡来な感じの屏風絵「萬国絵図屏風」が思わず目に入ってきて、
「へえー、面白いなあ、、、」と足を止めかけるが、あ、いかんいかん、
まっすぐ進むと今度は正面に、狩野永徳の唐獅子がどおおーーーん、
「あー、やっぱ、本物は迫力が、、、」と見入りそうになるも、ああ、またまた、いかんいかん!
で、やっとたどり着いたのが、第2室。
この部屋がまるごと、目的の伊藤若冲「動植綵絵」全30幅を展示した、
ミラクル・スーパー・ワンダフル若冲ゾーンであった。
贅沢に一点ずつ時間をかけて、じっくりと絵を眺めていく。
緻密かつ大胆に色鮮やかに描き込まれた絵の中にひしめき合う花や木、鳥、虫、魚、、、などの生き物たち。
その圧倒的な迫力が目から網膜の奥へと伝わり、やがて後頭部がじんわりと痺れ涙腺が思わずゆるんでくる。
若冲はこの30幅の絵を、40代の頃、約10年間を費やして、
今回展示されていない「釈迦三尊像」三幅と共に描きあげたという。
なるほど、と不在の釈迦三尊像を心の中で部屋の中央に浮かべてみる。
生きとし生けるものが、その多様な生命を謳歌し、まさしく仏と共にある。
実に実に美しい世界だ。
(2007年これらの連作すべて揃った展覧会が、京都相国寺で開催されたが未見。今思えば実に残念!)
さてさて、そんな訳で、素晴らしいプレビューの時間はあっという間に過ぎていった。
あらためて、こういう機会を与えてくださった
「皇室の名宝」 ブロガープレビュー事務局の皆様に謝辞を申し上げる。
本当にありがとうございました。
あ、そだ。事務局の方から宿題をひとつ、出されているんだった。
なになに、、、、「もし1点だけ持って帰れるならどれにするか? どこに飾りたいか?」ですか?
ここまで若冲若冲って言ってるんだから、当然選ぶのは「動植綵絵」からだよな、やっぱ。
で、悩んだ末に選んだのはこの一点。
小さい写真でちょっと分かりにくいんだけど、真ん中の魚介の絵を選ばせていただきます(「貝甲図」)。
ぎっちり描きこまれた他の絵と違って、程よくスカスカ感漂うこの絵なら、
リビングやダイニングルームにかけておいても、飽きることなく眺められそうだ。
群鶏図なんかは迫力ありすぎてちょっと食欲なくしそうだもんね。
その点この絵は、どことなくミロやタンギーを思わせるシュールなタッチでインテリアにもぴったり。
ちなみに、布地にプリントしてアロハシャツに仕立てるのも良さそうだ。
「あ、お前、良いビンテージアロハ着てるじゃん、
げっ!よく見ると、、、、
それって!じゃっ!じゃくちゅーーーっ!!?」
と、仲間内の視線を集めること間違いなしだ。
※ブロガープレビューの為、会場内の写真サイズは小さめになっている。ご容赦願いたい。