2007-06-10

リーガ・エスパニョーラ

残すところ2節となったリーガ・エスパニョーラ。
これまでの順位は以下の通り。

 

1位 レアルマドリード(勝ち点72)
2位 バルセロナ(勝ち点72)
*リーガのレギュレーションでは勝ち点が並んだ場合、
直接対決でのゴールアベレージで順位を決定
3位 セビージャ(勝ち点70)

 

レアルのみ残り2試合全勝で自力優勝が可能。
但し、1試合でも引き分けまたは負ければどうなるかわからない状況だ。

 

シーズンが始まった頃は、ここ3シーズン優勝から遠ざかっていたレアルが
再び優勝できるとはマドリディスタでさえ、信じ続けるのが難しかった。
そんな中、怪物ロナウドは去り、ベッカムも今期終了後アメリカ移籍を決めた。

 

しかし、シーズン後半にきて失われた自信や信頼を取り戻す為、
また遠ざかっていたタイトルへの渇望が決してあきらめない粘りへと変わり、
徐々に首位を守ってきたバルサとの勝ち点を縮め、
5月13日、実に2005年10月以来となる首位にたった。

 

それには移籍を決めた後、監督から戦力外通告を受けたにも関わらず、
腐る事無く、プロ精神で万全の準備をし続けたベッカムの貢献が大きかった事は、
誰もが認めるところだろう。

 

そして、、、昨夜、第37節が行われた。

 

レアルは最後の難関と言われた敵地ラ・ロマレーダ・スタジアムでサラゴサと対戦。
時同じくして、バルサはカンプノウでエスパニョールと、
セビージャもアウェイでマジョルカと対戦。

 

試合立ち上がり、これまで劇的な逆転劇を演じてきたレアルの選手達に
いよいよ「優勝」の文字が心に浮かび、闘志はあるものの動きは硬い。

 

対するサラゴサはホームでの引き分けを挟んで7連勝中。
この試合に勝ち、来季のUEFAカップ出場権獲得を決めるべく、挑んできている。

 

前半29分
電光掲示板にバルサ0-1エスパニョルというスコアが掲示された。

 

これでレアルの選手達も楽になるかと思われたが、
その直後、エルゲラのハンドによりサラゴサにPKの判定。
これをFWディエゴ・ミリートがきっちり決め、サラゴサに先制点。

 

サラゴサ 1-0 レアル

 

焦るレアルは立て続けに警告を受け、ロビーニョもシュートを決められず…。

 

そんな中、メッシのゴールでバルサが1-1の同点に追い付く。
セビーリャ対マジョルカは0-0。

 

同点に追いつくチャンスはあったものの、ゴールキーパー、セサルが
気合の入ったプレーで阻止。

 

1-0のまま後半に入り、カペッロ監督はエメルソンとラウルを下げイグアインとグティを投入。
しかし、その交代もすぐには機能せず、サラゴサ守備陣の前で効果的な攻撃が出来ないまま、
焦りの色が増していくレアル。

 

追い討ちをかけるように、バルサが再びメッシのゴールで2-1と勝ち越しに成功。

 

嫌な空気が流れる中、後半11分、セルヒオ・ラモスのセンタリングに
ファン・ニステルローイが飛び込み起死回生の同点弾!

 

サラゴサ 1-1 レアル

 

喜びもつかの間。このままでは終わらなかった…。

 

レアルの同点ゴールから7分後、アイマールがらしいドリブル突破で攻め上がり、
ディエゴ・ミリートが2点目となるゴールで、サラゴサが再びリード。

 

サラゴサ 2-1 レアル

 

65分、カペッロ監督はロビーニョに代えてレジェスを投入。

 

その後、なりふり構わず攻撃を続けるもセサルの好守もあり、
シュートが決められず時間だけが経過して行く…。

 

82分、この試合に怪我を押して出場したベッカムが痛めていた左足を負傷。
ピッチの外に出たが、すでに3人の交代枠を使い切り、交代は出来ない。
そのままベッカムはプレーを続行。

 

敗戦が濃厚と思われた後半44分に奇跡が起きた。

 

激しい肉弾戦でレジェスがピッチに倒れ込み、
こぼれ球を拾ったグティがロベルト・カルロスへスルーパス。
ロベルト・カルロスからパスを受けたイグアインがシュートを放つもセサルがまたもクリア。
両チームの選手が入り乱れるゴール前、リバウンドをファン・ニステルローイが押し込み
レアルが再び同点に追いついた。
しかし、この時点でピッチ上のレアルの選手達はバルサが勝っている以上、
同点に追いついたものの自力優勝は消えたと思っていた。

 

サラゴサ 2-2 レアル

 

奇跡はこれで終わりではなかった。
優勝に王手を掛けたかに思われたバルサが
土壇場でエスパニョールのタムードに同点弾を決められ、
2-2と引き分けに終わったのだ。
セビーリャ対マリョルカも0-0のまま試合終了。

 

首位陥落濃厚だったレアルは、ギリギリのところで首位の座を守り、
優勝の行方は最終節まで持ち越しとなった。

 

今はただただ苦しかったこの3シーズンを振り返り、
最終節を首位で迎えた事に興奮している。

 

そして、いよいよ来週日曜日は4年ぶりのタイトル奪還、通算30回目の優勝をかけ、
ホーム、サンティアゴ・ベルナベウでマジョルカと対戦する。

 


ちなみにバルサがエスパニョールに1-1と追いついたメッシの同点ゴールは
先日の国王杯の5人抜き同様、再びマラドーナのプレーの再来と言わる神の手ゴールだった。

 

もし今節レアルが負けていれば、マドリディスタからの非難の的になったかと思われるが、
結局両者引き分けに終わり、非難の声より伝説の再来、歴史は繰り返されると言った見方の方が
多くなる事だろう。

 

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