2010-07-28
by Yla

蓮の花の話

 

玄関前の庭先に水瓶を三つ置いている。
それぞれに蓮が入っている。
正確に言えば蓮は真ん中だけで、両端は睡蓮だがとりあえず一緒くたに蓮と呼ぶ。

 

手前の一番大きい瓶は、この家に元々置いてあったものだ。
なんたって、この庭の先輩格であるからして、この蓮が一番威勢がよく葉もぎっしり生えていて、
7月の上旬から次々に小振りながらもきれいな花を咲かせてくれている。

真ん中の蓮は前の家から持ってきたもので、 5、6年前に祐天寺駅前の花屋で買ったものだ。
買ったときは見事な葉ぶりだったが、屋上で育てていて手が行き届かなかった上、
度重なるカラスのイジメに会い、なんだかすっかりシナびてしまっている。

未だ花も咲いた事がなく都会からやって来た病弱な新参者といった所か、、、。

 

さてシンガリに控えしは、いちばん小ぶりの弟ぶんといった感じの蓮坊だが、
意外に我家での歴史は一番古く、かれこれ十数年育てている事になる。

祐天寺の前、広尾に住んでいた頃、恵比寿の花屋で購入したもので、
威勢のいい花屋の親父の口上「この蓮はいいよ、花がどんどん咲くからね」に
胸膨らませて買ったはいいが、結局一度も花が咲く事はなかった、、、。

うーん、育て方がまずかったのか、、、。
やはり、チョー虚弱体質の転校生といった雰囲気で庭先に佇んでいる。

 

ところがである、先日、ふと水瓶を見てみると、
この弟ぶんの蓮坊が、なんと!花を咲かせているではないか。

 

 

なんたってこの庭には日差しだけは有り余るほどたっぷりとあるし、
先輩ハスの勢いに押されて内なる野生が目覚めたのかもしれない。

小さいながらも、可憐で清々しい花を咲かせてくれた。

10数年ぶりにしてはじめての快挙である。

 

ふーむ、、、こういう事ってあるんだなぁ、、、。

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